【何年分やればいい?】環境計量士過去問の解説とオススメの問題集まとめ

環境計量士
化学

環境計量士試験がどんなものか、過去問と解説がみてみたい

おすすめの問題集が知りたい。何年分やっておけばいいのだろうか…

おすすめの勉強方法が知りたい

と調べている方向けの記事です。

こんな疑問にお応えします。

次に見出しがあるので該当のところをご参考ください。

それでは早速それぞれ書いていきます。

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おすすめの過去問題集

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ちなみに、最低でも5年分以上(多くて10年分)は過去問を解いた方がいいですが、もちろん過去問だけでは対応できない科目があります。

特に次の項目で解説している、過去問(化学分析及び濃度の計量)については、試験範囲が広いため過去問を繰り返し解くだけではなく、勉強方法を工夫する必要があります。もちろん過去問を解いてから勉強した方がいいので、どのような問題かざっくりみてみてください。

ちなみに、勉強方法についてはこちらの記事をご参考ください。過去問以外での勉強方法や参考書などについてまとめて記載しています。

他にも、環境計量士のメリットなども記載してますので、

過去問解説

平成29年3月実施(第67回)化学分析および濃度の計量の過去問解説ページです。

どのような問題かを把握するのにご参考になれば幸いです。

とはいえ1年分の過去問なので、問題の傾向をまとめていますのでこちらも合わせてご参考ください。

あとは勉強方法についてもまとめています。↓

・独学一発合格のための勉強方法と参考書まとめ

・2018年環境計量士の試験対策 化学分析概論及び濃度の計量

・2018年環境計量士の試験対策 環境計量に関する基礎知識(化学)

🔵使用した参考書

使用した参考書です。

  

🔵過去問

 

問1

イオン電極によるイオン濃度の測定原理において、基礎となっている法則または式として正しいものを選べ次の中から一つ選べ。

1 ネルンストの式

2 ランバートベアーの法則

3 ファンディムターの式

4 ファラデーの法則

5 ブラッグの式

正解:1

1 ネルンストの式

イオン電極計として代表的なものに、pH計があります。

pHは水素イオンの濃度をガラス薄膜の内外で電位差を図ることで測定します。

ネルンストの式は電極の平衡電位差とイオン濃度の関係を表しており、この式からpHを算出します。

2 ランバートベアーの法則

吸光度法に用いられる法則で、分析対象の物質が吸収する単色光と単色光の関係を表したものです。

吸光度は、物質濃度に比例する関係式になります。


3 ファンディムターの式

これは知らなかったです。 :mrgreen: 

手持ちの教科書にも載っていませんでしたので、省略します。。。


4 ファラデーの法則

金属などに電気を流し、電気分解された物質量が、流れた電気量に比例にする法則

ファラデー定数はネルンスト式に用いられます。


5 ブラッグの式

これは何となくで覚えていましたが、X線回折の原理となる法則です。

X線回折は、結晶にX線を当て、散乱するX線の位相がずれるため、それを利用し回折パターンを得る方法です。

以上が解説です。今後も頑張って一問ずつ解いていきます!」

問2

土壌含有量調査を実施するために1.0 mol/Lの塩酸を600 mL調製したい 。市販の濃塩酸(塩化水素の質量分率37%)を純水で希釈して調製する場合、必要な濃塩酸量として最も近いものを次の中ら一つ選べ。ただし、塩化水素(HCI)のモル質量は36.5 g/mol,濃塩酸の密度は1.18 g/mLとする。

1 20 mL
2 30 mL
3 40 mL
4 50 mL
5 60 mL

正解4

これはサービス問題です  😛

物質量を計算して、濃塩酸の密度と重量比で割り戻すだけです。
 
物質量: 1 mol/L×36.5g/mol×600mL= 21.9 g-HCl
濃塩酸: 21.9 g-HCl÷1.18g/ml÷0.37vol%= 50.16 mL
 

問3

ガスクロマトグラフィーで使用される検出器に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

1水素炎イオン化検出器は、CHラジカルを生成しうる化合物の検出に適した検出器である。
2熱伝導度検出器は、試料成分とキャリャーガスとの熱伝導度の差を利用した検出器である。
3炎光光度検出器は、りん化合物,すず化合物および硫黄化合物の検出に適した検出器である。
4光イオン化検出器は、電子親和性の高い化合物に対する電子捕獲反応を利用た検出器である。
5熱イオン化検出器は、りん化合物および窒素化合物の検出に適した検出器である。

1水素炎イオン化検出器

水素炎中で有機化合物が酸化されることで、イオン性の燃焼生成物が生じます。このイオンを電極(陽極)で集め、イオン電流として検出する方法。特徴としてほとんどの有機化合物を検出することができるので、汎用性が高いです。

2熱伝導度検出器

問題文に記載の通りで、試料ガスの熱伝導率によって検出する検出器のことです。FIDとはことなり、無機ガスの検出も可能です。

3炎光光度検出器

構造の基本部分はFIDと同じ水素-空気燃焼ノズルをもちますが、FIDと異なり燃焼雰囲気は水素過剰の還元性です。フレームの中で硫黄原子を含む化合物、燐を含む化合物は反応経路中でいったん前者はS原子、後者はPO-となり、ついでそれぞれS2及びHPO-ラジカルを形成し、この化学発光を検出します。

4光イオン化検出器

4番の記述は、電子捕捉型検出器の説明です。ということで、正解は4番 🙂

光イオン化検出器は、化合物を、UVランプの光エネルギーでイオン化します。
化合物はそれぞれのイオン化ポテンシャルを持っており、UVランプからの照射エネルギー(10.2eV)よりも低いイオン化ポテンシャルを持った化合物だけがイオン化されます。

5熱イオン化検出器

問題の記述のとおりで、窒素化合物及びリン化合物に対して選択的に高感度を示す検出器です。有機リン化合物の分析等に用います。

問4

「JISK0102工場排水試験方法」に規定された、水素化物発生ICP発光分光分析法によるひ素の定量法に関する次の記述において、下線を付した(ア)~(工)の正誤について、正しい組合せを1~5の中から一つ選べ。

試料に硫酸および(ア)硝酸を加え、さらに(イ)ヨウ化カリウムを溶液が着色するまで滴下する。この溶液を加熱して硫酸白煙を発生させ、室温まで放冷した後、水,塩酸,(ウ)過マンガン酸カリウム溶液およびアスコルビン酸溶液を加えて静置する。連続式水素化物発生装置にアルゴンを流しながら、この静置した溶液,(エ)テトラヒドロホウ酸ナトリウムおよび塩酸を、定量ポンプで連続的に装置内に導入し、水素化ひ素を発生させる。発生した水素化ひ素を含む気体をICP発光部に導入して発光強度を測定する。

ア イ ウ エ
1 正 誤 誤 正
2 正 正 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 誤 正

水素化物発生法を用いた金属分析の問題で、これも良く出ます。
水素化物発生法は、試料溶液中のAs、Se、Sb などと水素化ほう素ナトリウム(NaBH4)、塩酸が反応し、ガス状の水素化物を生成させたのちに、原子吸光やICPにより分析することで、高感度検出が可能になります。

無機Asでは5価は3価に比べAsH3の発生が低いため、あらかじめ試料にヨウ化カリウムを添加して5価を3価に還元する必要があります。

正解は、(イ)と(ウ)の記述が逆なので、1です 🙂

問5

「JISK0115吸光光度分析通則」に規定されている分光光度計について、次の操作を行ったときに確認される装置性能として正しいものを、1~5の中から一つ選べ。

低圧水銀ランプから放射される輝線を測定し、強度が極大を示す波長を確認した。

1 ノイズレベル
2 測光正確さ
3 波長正確さ
4 逆光
5 ベースライン安定度

正解は3です。
波長の確認ですので、そのまま波長の正確さが正解になります。
ちなみに逆光は「波長選択部から出射する光強度に対する設定波長以外の波長の光強度の総和の比率」(JIS K 0115より)を意味します。
逆光が多いほど、誤差が大きくなる要因になります。

問6

環境基本法に基づく「水質汚濁に係る環境基準」において、「人の健康の保護に関する環境基準」に定められた項目とその基準値の組合せの中から、誤っているものを一つ選べ。

1 カドミウム       0.003mg/L以下
2 砒素           0.01mg/L以下
3 セレン       0.01mg/L以下
4 六価クロム       0.05mg/L以下
5 総水銀       0.01mg/L以下

この問題は、環境計量士と公害防止管理者を持っている自分としては、答えられないといけない問題です。

正解は、5です
総水銀の基準値は0.0005mg/L以下です。
すべての基準値を覚えているわけではないのですが、総水銀とカドミウムは基準値のオーダーが他より低かったのを覚えているので、正解できました。

環境基準で覚えたほうが良いのかなと思うのは、物質の種類と基準が検出されない物質です。
基準が検出されないものは、アルキル水銀、全シアン、PCBです。

問7

次に示した定量法のうち、ICP質量分析法で使用されないものをーっ選べ。

  1. 検量線法
  2. 内標準法
  3. ファンダメンタルバラメ―ター(FP)法
  4. 同位体希釈分析法
  5. 標準添加法

正解は3です。

検量線法、標準添加法、内標準法はHPLCなど種々の分析機器で用いられる方法です。
同位体希釈分析法は内標準法の1つです。質量分析に用いられる方法で、同位体の存在比を利用して、定量を行います。
ファンダメンタル・パラメータ法は蛍光X線の定量に用いられる方法です。この方法は、試料を構成している元素の種類とその組成がすべてわかれば、それぞれの蛍光X線の強度を理論的に計算することができるということを利用して、未知試料を測定して得られた各元素の蛍光X線強度に一致するような組成を推定する(日立ハイテクHPより)。

問8

日本工業規格(JIS)に規定された排ガス中の大気汚染物質の分析方法において、汚染物質と試料採取に用いる吸収液との組合せとして、誤っているものを次の中から一つ選べ。

汚染物質(適用JIS)             吸収液
1 臭素化合物(JISK0085)      水酸化ナトリウム溶液
2 ピリジン(JISK0087)         硫酸溶液
3 アンモニア01SK0099)      ほう酸溶液
4 硫黄酸化物(JISK0103)      過酸化水素水
5 フッ素化合物(JISK0105)  酢酸溶液

正解は5です。
基本的にガスの吸収液は試料が酸性の場合はアルカリ性容積、アルカリ性の場合は酸性溶液を用います。
フッ素化合物の吸収液はNaOHが用いられます。

問9

「JISK0102工場排水試験方法」に規定されている、原子吸光法の種類(ウ)と、適用される分析対象成分との組合せとして、正しいものを1~5の中から一つ選べ。

(ア)フレーム原子吸光法
(イ)水素化物発生原子吸光法
(ウ)還元気化原子吸光法

(ア)     (イ)      (ウ)
1  全りん   硫化物イオン 全水銀
2 ナトリウム 鉛      カドミウム
3 鉛     アンチモン  全水銀
4 全りん   アンチモン  カドミウム
5 ナトリウム 硫化物イオン 鉛

正解は3です。

原子吸光の測定対象は主に金属を分析する機器です。
ちなみに問題では、鉛とナトリウムが分析できます。
水素化物発生原子吸光は、問4でもでてきた水素化物発生法を用いてAs、Se、Sbを高感度に測定する分析法です。
還元気化原子吸光法は、試料溶液に塩化スズ水溶液などを添加し、酸化還元反応によって生じたHgを金製の網で捕捉(金-アマルガム)した後、金製の網を加熱して再び水銀を遊離(原子化)してセルに導入する。Hgを高感度で測定することができる分析法です(TORAY HPより)。

問10

「JISB7982排ガス中の窒素酸化物自動計測システム及び自動計測器」に規定される化学発光方式の排ガス中の窒素酸化物分析法に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

1 この分析法は一酸化二窒素の測定には適用されない。
2 過酸化水素との反応によって生じる化学発光強度を測定する。
3 共存する二酸化炭素の影響を無視できる場合、または影響を除去できる場合に適用する。
4 一酸化窒素と二酸化窒素の合量を求める場合は、二酸化窒素を一酸化窒素に変換して測定する。
5 ステンレス鋼製の採取管は、一酸化窒素と二酸化窒素の比率を変化させる可能性がある。

正解は2です。

化学発光酸化物計では、NOをオゾンと反応して酸化し、一部のNO2を励起状態にします。
励起状態のNO2は、光エネルギーを放出して安定な分子になります。
化学発光酸化物計はその光エネルギーを利用した分析計です。

ちなみに3について、NOの酸化反応時にCO2が共存すると、励起エネルギーを吸収してしまうので発光強度が減少してしまいます。
ただし、大気中のCO2濃度は一定ですので、補正しておけば問題はありません。

そのほかは問題文の通りです。

問11

「JISK0151赤外線ガス分析計」に規定されるガス分析計に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。

1  正フィルタ形とは、測定成分の吸収する赤外線をその吸収波長以外の波長で測定する方式をいう。
2  試料セルは、試料ガスが流通し、両側の窓から試料光束が通過する構造のものとする。
3  試料ガスの流量の変化に対する指示値の安定性については、特に規定されてはいない。
4  波長非分散方式とは、光学的に変調を行う回転セクタを使用しない方式をいう。
5  増幅器は、出力信号または測定成分の濃度を指示するものである。

正解は2です。

1 測定成分の吸収する赤外線をその吸収波長で測定する方式
3 試料ガスの流量の変化に対する安定性の試験方法で試験を行ったとき,その指示変化は最大目盛値の±2 %以内でなければならないと規定されています。
4 光束をプリズム,回折格子などの分散素子によって分散しない方式をいいます。
5 増幅器は、検出器からの微小信号を増幅するものです。

問12

H形の陽イオン交換樹脂0.50g(乾燥質量)をカラムに詰めた。そこにNaCI水溶液を十分に流してH+をすべて溶出させた。この溶出液の全量を0.10mol/LのNaOH水溶液で滴定したところ、中和するのに10mLを要した。この樹脂が、単位質量あたり保持していたH+の物質量として最も近いものを次の中から一つ

1 0.10mmol/g
2 0.20mmol/g
3 0.50mmol/g
4 1.0mmol/g
5 2.0mmol/g

正解は5です。

計算式
H+の物質量=0.10 mol-NaOH(H+と当モル)/L × 10 mL / 0.50 g-樹脂 = 2 mmol/g

問13

「JISK0095排ガス試料採取方法」における試料ガス採取位置に関する次の記述について、「ア~ウ」に入る語句の組合せとして、正しいものを1~5の中から一つ選べ。

試料ガスの採取位置には、ダクトの「ア」部分、断面形状の「イ」部分などを避け、排ガスの流れが比較的一様に「ウ」、作業が安全かっ容易な場所を選ぶ。

  (ア)    (イ)        (ウ)
1  直線   急激に変化する   整流され
2  直線   均一な       乱され
3  直線   急激に変化する   乱され
4  屈曲   均一な       乱され
5  屈曲   急激に変化する   整流され

正解は5です。

排ガスの試料採取方法はJIS0095に規定されています。

ちょっと長いので、ここでは省略します!

問14

「JISB7989排ガス中の揮発性有機化合物(VOC)の自動計測器による測定方法」に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。

1 排ガス処理装置が設置されている施設の場合には、試料ガスの採取は、処理装置の運転開始時に行わなければならない。
2 試料ガスの採取に用いる捕集バッグは、再使用することができる。
3 水素炎イオン化検出方式の計測器では、燃料ガスとして純水素ガスを用いることができる。
4 触媒酸化ー非分散形赤外線吸収方式の計測器の場合は、定められた順序に従って電源を入れた後すぐに測定を行うことができる。
5 計測器のゼロ調整およびスパン調整は、その計測器の保守・点検時のみ行い、測定の開始時に行わなくてもよい。

正解は3です。

1  施設の稼働状況を調査し,VOC の排出が安定する時期を確認し,その時期を試料の採取時期とします。排ガス処理装置が設置されている場合には,処理装置の運転開始時など一時的な VOC 高濃度排出時を除きます。
2 補修バッグは、ふっ素樹脂フィルム製又はポリエステル樹脂フィルム製で,VOC の吸着,透過及び変質が生じないもの,又はそれと同等以上の性能をもつバッグで,合成樹脂製スリーブを付けた内容積 20L 以上のもの。なお,捕集バッグは,再使用しません。
4 燃焼炉の温度などが定められた値になり計測器が安定するまで暖機します。
5 ゼロ調整及びスパン調整は,測定の開始時に行います。

問15

「高圧ガス保安法」に基づく「容器保安規則」において、高圧ガスの種類に応じて、容器の表面積の二分の一以上を指定の色に塗ることが規定されている。次の高圧ガスの種類と指定の色との組合せの中から誤っているものを一つ選べ。

  高圧ガスの種類    指定の色
1  水素ガス        赤色
2  液化炭酸ガス      緑色
3  窒素ガス        褐色
4  アルゴンガス      ねずみ色
5  酸素ガス        黒色

正解は3です。

窒素ガスの色はねずみ色です!
ウィキペディアにまとまっていたのでリンク張っておきます。
ちなみに褐色はアセチレンガスです。

問16

「JISK0092排ガス中のメルカプタン分析方法」に規定された分析法において使用されない器具または装置を、次の中から一つ選べ。

1 吸収瓶
2 捕集バッグ
3 全量フラスコ
4 ガイガ・ミュラー計数管
5 炎光光度検出器付きガスクロマトグラフ

正解は4です。

ガイガー=ミュラー計数管(GM管)は、主に放射線測定装置に用いられる部品です。
電離放射線を検知し、その回数をカウントできるものです。

問17

「JISK0211、分析化学用語(基礎部門)」に規定された「標準物質,RM」の定義の記述について、下線部(ア)~(オ)の中から、誤っているものを一つ選べ。

指定された性質に関して(ア)十分に(イ)均質、かつ、(ウ)安定であり、測定又は名義的性質の検査において、意図する用途に(エ)適していることが(オ)期待されている物質。

1 (ア)
2 (イ)
3 (ウ)
4 (エ)
5 (オ)

正解は5です。

JISK0211を読んでいなくでも分かったかと思います。
ちなみに正しくは、(オ)は「立証」です。

問18

下記の反応式に従って金属酸化物(M2O)1.430gを水素により完全に還元したところ、純金属(M)1.270gが得られた。
この結果から求められる金属Mの原子量として最も近いものを1~5の中からーつ選べ。ただし酸素の原子量はの原子量として16.00とする。

M20+H2→2M+H20

1 29.0
2 63.5
3 71.5
4 80.0
5 125

正解は、2です。

金属原子Mをxと置きます。

M2O の物質量=2x+16
M2O(2x+16):1.430g = 2M(2x) :1.270gから
⇒2.860 x=1.270 (2x+16) これを解いて

x=63.5 g/mol

問19

「JISK0126流れ分析通則」に規定された、連続流れ分析法の定義について、(ア)~(ウ)に入る語句の組合せとして、正しいものを次の1~5の中から ーつ選べ。

細管内の(ア)の流れの中に(イ)を導入して分節し、それぞれ試料または試薬を導入することによって、反応操作などを行った後、下流に設けた(ウ)で分析成分を検出して定量する分析方法。
 (ア)     (イ) (ウ)
1 試薬または試料  溶離液  分離部
2 キャリヤー    気体   分離部
3 反応液      溶媒   抽出部
4 試薬または試料  気体   検出部
5 反応液      溶離液  検出部

正解は、4です。

流れ分析法は、フローインジェクション分析法 (flow injection method) といい、細管内の試薬又は試料の流れの中にそれぞれ試料又は試薬を導入し,反応操作などを行った後,下流に設けた検出部で分析成分を検出して定量する分析方法です。

問20

JISK0102工場排水試験方法」に規定されたベルオキソ二硫酸カリウム分解法による全りんの試験に関する次の記述において、下線を付した(ア)~(ェ)の正誤について、正しい組合せを1~5の中から一つ選べ。

試料にベルオキソ二硫酸カリウムを加え、(ア)40℃で60分間加温して有機物などを分解する。この溶液について、りん酸イオンが七モリプデン酸六アンモニウムおよびタルトラトアンチモン(Ⅲ)酸カリウムと反応して生成するヘテロポリ化合物を(イ)L-アスコルビン酸で(ウ)酸化し、生成したモリプデン青の吸光度を波長(エ)880nm付近で測定してりん酸イオンを定量し、全りんの濃度を求める。

    ア イ ウ エ
1  正 正 誤 誤
2  正 誤 正 誤
3  正 誤 誤 正
4  誤 正 誤 正
5  誤 正 正 誤

正解は4です。

アは、120℃で加温し有機物を分解します。
ウは、還元です。

問21

「JISK0102工場排水試験方法」に規定された、フレーム原子吸光法を用いる定量分析のための準備操作として、キレート樹脂による分離濃縮法を適用できない元素を、次の中から一つ選べ。

1 カリウム
2 鉛
3 銅
4 亜鉛
5 カドミウム

正解は1です。

キレート樹脂による濃縮分離は重金属への適用が可能です。

カリウムはアルカリ金属ですので、キレート錯体を形成しにくい性質があります。

問22

質量分析に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

1 質量分析では、正イオンのみのm/z(質量電荷比)が測定される。
2 化学イオン化(CI)法では、イオン化された反応ガスを介して、試料分子がイオン化される。
3 エレクトロスプレーイオン化(ESI)法は、生体分析や錯体分析にも広く応用されている。
4 飛行時間形質量分析計(TOF-MS)では、イオンの電荷数が同じ場合、質量の大きいものほど飛行時間が長くなる。
5 フラグメンテーションとは、イオンを構成する一つまたは複数の結合が開裂することによって、そのイオンより小さい質量のイオンを生じる反応である。

正解は、1です。

質量分析は、有機物・無機物の分子を何らかの手段でイオン化し、分子またはフラグメントの質量により分離し分析する方法です。
なので、マイナスイオンにおいても分析は可能です。

問23

「JISK0312工業用水・工場排水中のダイオキシン類の測定方法」に規定された定量方法に関する次の記述について、「~「に入る語句の組合せとして、正しいものを1~5の中から一つ選べ。
ダイオキシン類の定量は、(ア)によって行う。要求される分解能は(イ)であり、(ウ)で検出し、内標準法によって定量を行う。

 (ア)               (イ)      (ウ)
1 高速液体クロマトグラフ質量分析法  1000    全イオン検出法
2 高速液体クロマトグラフ質量分析法  1000    選択イオン検出法
3 ガスクロマトグラフ質量分析法    1000    選択イオン検出法
4 ガスクロマトグラフ質量分析法    10000以上  全イオン検出法
5 ガスクロマトグラフ質量分析法    10000以上  選択イオン検出法

正解は5です。

問題文のとおりで、覚えるしかないです!!

問24

「JISB7954大気中の浮遊粒子状物質自動計測器」に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

1 環境基本法に基づく大気の汚染に係る環境基準に関する浮遊粒子状物質とは、大気中に浮遊する粒子状物質で、その粒径が1mm以下のものをいう。
2 質量濃度とは、単位体積の空気中の浮遊粒子状物質の質量である。
3 べータ線吸収方式では、べータ線源として密封線源を用いる。
4 圧電天びん方式では、粒子を静電的に水晶振動子上に捕集する。
5 フィルタ振動方式では、粒子による円すい状振動子の振動数の低下から質量濃度を得る。

正解は、1です。

粒径が1mm以下ですと、でかすぎのような気が。。。

正しくは、10μm以下です。

問25

「JISK0050化学分析方法通則」に規定された数値の表し方において、約を付けて数値を指定し、かっ許容範聞が必要なとき、約10.0gの許容範囲として正
しいものを、次の中から一つ選べ。

1 9.95g— 10.05g
2 9.5g— 10.5g
3 9.0g ~10.0g
4 9.0g ~11.0g
5 8 ~12.0g

正解は4です。

“約”を付けて数値を指定する場合は、その数値に近い値を意味します。
許容範囲が必要なときは,その数値の±10 %又はその数値への丸め誤差のいずれか幅広い方とします。

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