技術士二次試験を受けようと思っている。とりあえず過去問を見てみたけど、難しすぎて受かる気がしない。どうやって勉強すれば良いんだろうか。
と悩んでいる方向けの記事です。
これから技術士の勉強を始めようとしている方と試験に落ちてしまった方などご参考になれば幸いです。最初に結論を書くと、技術士二次試験の筆記試験に落ちてしまう理由はこちらです。
- 問題に回答するための”考え方の型”を知らない
→方法をただ知らないだけ - そもそも対象科目分野の専門的な知識が足りない
→知識不足 - 知識を応用する実践経験が足りない
→実践・経験不足
考え方の型が一番重要なのですが、これを知っている知っていないで勉強の仕方に差が出てしまいます。
ちょっと分かりづらいと思うので、ゴルフで例えてみます。
ゴルフでいいスコアがなかなか出ない人の特徴↓
- ゴルフの打ち方のフォームが分からない
→方法をただ知らないだけ - どういう打ち方だと球が真っ直ぐ飛ぶか?知識が足りない
→知識不足 - 実際の打ちっぱなしやラウンド回数が少ない
→実践・経験不足
こんな感じですが、逆にいうと考え方の型を知っていて、知識と実践を積み重ねていくことで技術士に受かることができます。
おそらく過去問を見て、技術士無理だ…と思った方は、どこからアプローチして勉強を始めればいいか分からない、と思った方が大半だと思います。
ちなみにこれを書いている人自身はどうなんだ?と思う方もいると思います。わたしは技術士に受けたのが30前半でしたが独学一発合格しています。ですが、自分も過去問を初めて見た時はこんなの受からないだろうと思っていました。
30代で受かるのは相当難しいんだろうなあと思っていたので、当時かなり調べていたのでポイントを抑えることができました。筆記試験でA判断をとると、口頭試験もかなり有利になるので、ご参考になればと思います。
それでは早速、次に具体的な対策について書いていきます。
技術士に受からない理由
繰り返しになりますが、重要なのでもう一度書くと技術士に受からない理由は主に以下の3つです。
- 考え方の型を知らない
- 知識が足りない
- 実践が足りない
この3つですが一番気にした方がいいのは、考え方の型を知らないということです。
ゴルフもスイングフォームの基本を知らないと、打ちっぱなしで実践しても上手くならないです。筆記試験も同様で、考えた方のフォームを知らないと知識をいくら詰め込んでも試験でうまく回答できません。
前置きが長くなりましたが、次にようやく対策について書いていきます。
技術士に受かるための対策
一番重要な考え方の型を身につける方法を中心に書いていきます。
考え方の型の身につけ方
実は、考え方の型というのは技術士の分野だけではなく、一般的に論理的思考力(ロジカルシンキング)と呼ばれています。逆にいうと、ロジカルシンキングを身につけるとどんな分野にでも役立てることができます。
少し脱線しますが、こんなことができるようになります。
・上司とのコミュニケーションが円滑になり、報告書がわかりやすいと褒められたりするようになる
・発表が上手くなり、プレゼン大会で優勝する
・面接での受け答えがスムーズになり、昇格試験や難しい国家資格に合格する
・企画書を書けるようになり、社内決裁や客先提案などがスムーズになる
ロジカルシンキングなんて本当に身につける必要あるの?とあやしく思うかもしれませんが、試しに”技術士 ロジカルシンキング”と調べてみてください。色々サイトが出てきますが、技術士に受かっている方は、全員ロジカルシンキングを使っています(意識しているかどうかは別ですが)。
ちなみに、身につけると技術士に受かるだけではなく、企画書を書けるようになったり、プレゼンや説明が上手くなったりします。なので仕事で褒められたり、面接の受け答えが上手くなったりと、昇給や転職にも繋がったりするので、それだけで食っていける、一生役に立つスキルと言っても言い過ぎではないです。
具体的な身につけ方ですが、とりあえず手っ取り早く概要が知りたい方にこちらの本を読むのをオススメします。2,800円くらいと少し高いですが、技術士試験の入り口として読むと考え方のベースが理解できます。
ちなみに目次はこちらで、個別科目の対策まで細かく書いてあります。
1章 技術士とは
2章 記述式答案の書き方
3章 選択科目Ⅱ-1(専門知識)対策
4章 選択科目Ⅱ-2(応用能力)対策
5章 選択科目Ⅲ(問題解決能力及び課題遂行能力)対策
6章 必須科目Ⅰ(総合技術監理部門以外)対策
7章 必須科目Ⅰ(総合技術監理部門)対策
8章 記述式問題の勉強方法
9章 受験申込書の書き方
10章 口頭試験対策
そもそもロジカルシンキングなんて難しそうだという方はしたで紹介する方法で勉強することをオススメします。無料でできる方法もあるのでご参考ください。※上に紹介した本だけでは実際にロジカルシンキングを身につけることはできなく、実際にはかなり訓練が入るので基本からゆっくり学んでいくのをオススメしています。
論理的思考能力の身につけ方のステップは大きく分けて2つで、順番に”インプット”と”アウトプット”です。知識を詰め込んで、どんどん実践していきます。
ちなみに、アウトプットというので活用しないと全くスキルが身につきませんので、インプットとアウトプットを繰り返します。
ロジカルシンキングの入門としてインプット
まずまずはロジカルシンキングについて初めて学ぶという方が多いと思うので、入門としてのオススメの本です。漫画なのでめちゃくちゃわかりやすいです。
※中古で50円くらいでもあったので安いです。(2020年12月情報なので上がっていたらすいません)
ちなみに、こちらの方がさらに分かりやすいですが、kindle版で800円くらいです。
入門者→初級者になるためのインプット
そしてここからが、本腰入れてさらにインプットしていきます。できるだけ安くするということで、Amazonのサービスを無料期間で利用しまくります。
kindle unlimited、Audibleで関連の本を無料期間に読みまくり&聞きまくります。
※自動更新されてしまうので、その点注意してください。(2020年12月の情報です)
読み放題&聞き放題で、読んだ方が良い本をいくつか紹介します。
こちらの2章のところは、思考術に関するところです。
Audible(Audibleの方が名著が多いです)
以下の、イシューから始めよとロジカルシンキングは読んでおいた方がいいです。特にビジネスマンの方でしたら、読むのをオススメします。
こちらも名著で読んだ方がいいです。ロジカルシンキングの技術が体系的学べるのと、さらに具体的な事例も数多く載っているので参考になることが多いです。
アウトプット
次に、インプットした知識を実践に生かして行きます。これは本当にオススメなのですが、グロービス放題を活用するという方法があります。これも一週間無料があるので、その中の「クリティカルシンキング」というのだけ受け切ります。
こちらも特にビジネスマンの方に本当にオススメです。上にも書いていますが、7-8年たった今でもグロービスの学びを仕事に生かしています。無料期間のうちに受けて損することは絶対ないです。
グロービスで学ぶと、知識と実践のためのスキルが定着していきます。
他には、上のグロービス放題で十分ですが、こちらの練習帳でさらに使えるトレーニングがあるのでオススメです。
技術者としての知識量を増やす
技術者としての知識の得るために以下がオススメです。
- 受験部門の関係省庁・団体のHP等で情報を得る
- 過去問や教材で情報を得る
最初に省庁HPなどで全体を俯瞰的に眺めて、次に過去問・教材で該当分野の深掘りをします。
この順番が効率的のいい勉強方法です。
例えば、建設部門や上下水道部門であれば、国交省や厚生労働省のHPを見まくります。
そこでみるポイントは”課題”はなにか?を考えながら見ることです。
下水分野で具体例を書きます。
例えば国交省の下水道のHPを見ます。
必ずよく見た方がいいのはこちらのガイドラインです。(ガイドラインあるところに課題ありです)
大項目に【未普及地域の解消】、【浸水対策】、【事業マネジメント】、、みたいのが書いてます。
中身を読んでいくときに、例えば事業マネジメントはなぜガイドラインがあるのか?
なるほど、技術者が不足していて、料金収入が減っていて、施設が老朽化していて、、、などキーサードを押さえながら読んでいきます。
その後に気づきを深めるために、教材などでカバーしていきます。
キーワードをまとめた教材が非常に役立ちます。(知識が深まるので、必ず省庁HPで関連分野のガイドラインなどを見ることをおすすめします。)
建設部門で過去問やキーワードをまとめたものです。
下水部門の過去問やキーワードをまとめたものです。
実践する
技術士の試験勉強では、情報のインプットにかなり時間がかかるので、アウトプットが結構見落としがちになります。
今までインプットしたものを急にアウトプットしてみてと言われると最初は詰まってしまうと思います。例えばこの問題でどんな文章を書くか実際にイメージしてみてください。
「上下水道事業を安定して継続させるための様々取り組みが求められている。これについて技術者としての立場で多面的な観点から、上下水道事業に共通する課題を複数抽出しその内容を観点とともに示せ。(令和2年度の上下水道部門の必須科目より)」
事前の知識がもしあったとしても、いきなり文章を書けと言わても難しいと思う方が大半だと思います。
自分もそうで、勉強したての時は、ひたすら参考書やインプットしていましたのですが、実際に文章を書く練習をしてなかったので、かなり最初は躓きました。実際に比率で言うと、インプット98に対してアウトプット2くらいだったので全然だめだめでした。(このアウトプットの比率を上げる重要性に気づいてから試験期間が短かったのでめちゃくちゃ焦りました)
なので、これから勉強される方はインプットを増やすことだけではなく、アウトプットする機会を増やすことを意識した方が良いです。比率としては最低でも2割以上はアウトプットにかける時間を増やした方がいいです。
やり方はなんでも良いです。過去問を中心に解いていって回答をノートに書いたり、ブログに書いたり、Twitterで呟いたりすると良いです。
まとめ
以上が、技術士に受からない理由と受かるための対策でした。
一応まとめるとこのような形になります。
- 問題に回答するための”考え方の型”を知らない
→ロジカルシンキングを身につけて、論理的に回答する型を身につける - そもそも対象科目分野の専門的な知識が足りない
→①受験部門の関係省庁・団体のHP等で情報を得る
②過去問や教材で情報を得る - 知識を応用する実践経験が足りない
→過去問を中心に解いて、ひたすらノートなどに書いてアウトプットする
※知識のインプットに対して、アウトプットは2割以上勉強にさく
他にこちらの記事もご参考ください。
waltz-meow.com/2020/12/12/roadmap
コメント