この記事では技術士二次試験の記述式の対策について文章の書き方のポイントについて解説します。
2019年度に試験制度が変わりましたが、大きな変更点として択一式の問題が記述式問題に変わったことがあります。そのため、技術士試験に受かるためには文章の書き方について準備しないといけません。
書き方のポイント4つはこちらです。
- 自分の書きたいことを書かない
- 文章には感情を入れない
- 文章にはロジックを入れる
- 文章に技術のトレンドを入れる
ちなみにこの記事は、これから技術士の試験勉強を始める方や、既に勉強を始めていて文章の書き方に関して本質の部分を学んでしっかり合格したいといった方向けに書いています。
基本のポイントを抑えながら勉強を進めると、成長スピードが早くなります。
早速それぞれのポイントについて具体的に書いていきますので、参考になれば幸いです。
自分の書きたいことを書かない
自分の書き方を書かないってどういう意味?といきなり思うかもしれませんが、実はここが一番重要です。
技術者の方はもちろん自分の仕事に誇りを持っているので、『この問題が出たらこう書きたい』など書きたいことありきで文章にしてしまうことが多くなってしまいます。
自分も試験対策で経験がありますが、自分の経験ベースで文章を寄せて書いてしまったり、専門分野の領域に無理やり持っていってしまったり、振り返って読んだりすると少し無理がある文章になったりすることがありました。
じゃあ、どういう風に文章を書けばいいの?というところですが、まずは一旦頭の中を真っ新にして、この問題は何を聞いているのか?ということをはじめに考えます。
具体的な問題で説明します↓
これについて技術者としての立場で多面的な観点から、上下水道事業に共通する課題を複数抽出しその内容を観点とともに示せ。(令和2年度の上下水道部門の必須科目より)
考え方ですが、まずは出題者がどういう意図でこの問題を出しているかをキーワードから考えます。
このキーワードからというのが重要です。
この問題の場合は、安定継続するための課題は何か?に対するキーワードを最初に考えます。
例えば、こんな感じです→(キーワード:少子高齢化、人口減少、水使用量減少、料金収入減少、施設の老朽化、エンジニア不足、自然災害(台風、地震など)、、、)
一旦、この章でお伝えしたいことに戻ると、ポイントは、自分で書きたいことを書かずに、出題者が何を聞きたいかについて、頭をまっさらにしてキーワードを考えることが重要ということです。
文章には感情を入れない
次に重要なポイントで、これはひとつめのポイントと似ています。自分の書きたいことを書かずに文章を作るということですが、感情を入れないという意味は自分の意見を主張しすぎないことです。
技術士試験の採点者はもちろん高度な技術者の方で、多面的な知見や考え方を持っています。
なので、自分の主張を押しつけすぎてしまうと、文章の情報に偏りが出てしまうので、そこを必ず見抜かれてしまう。
ここで文章の書き方のポイントとしては、事実をベースに文章を書いていきます。(事実にはその裏付けが必ずあるので、その点を書けるとなお良いです。)
一方で、もちろん意見を持つのも重要です。意見の書き方としては、自分の主張をあげ、その次にその理由と、具体的な事実を書いていきます。
このような感じで、「多面的な観点の事実を知っているというのをきちんと最初に文章にして、その中でも自分の意見を伝える」ということが重要です。
文章にロジックを入れる
文章にロジックを入れるのが必要不可欠です。ちなみに、ロジカルシンキングは技術士にとって必須のスキルになります。具体的な問題でロジカルシンキングを使った文章を書く方法について説明します。
上で書いた問題の、次の設問がこちらです。
(令和2年度の上下水道部門の必須科目より)
この問題にロジックを使って回答します。
言い過ぎかもしれませんが、”設問の抽出する課題”は出題者が納得すれば何を選んでも良いです。
驚く人もいるかもしれませんが、この問題は、最も重要な課題は何か?ということを実は問われていません。
技術者としてロジックをしっかり組み立てることができるかということを問われています。
ちなみにロジカルシンキングの説明は、めちゃくちゃ長くなるので、こちらの記事をご参考ください。
最後の方にロジカルシンキングの使い方について簡単に書いています。
技術士の試験対策として、ここを意識しないとおそらくずっと受かることはできないので、ポイントとして必ず押さえたほうがいいです。
ちなみに、この点を細かく書いた書籍が出ていますのでご参考ください。
文章に技術のトレンドを入れる
トレンドを文章に入れるのはとても重要です。技術士として重要なことの一つに継続研鑽があります。要は技術士たるもの常に新しい情報を入れたり勉強したりしましょうということです。
キーワードの中にもちろんトレンド情報を入れると出題者側からすると、勉強する姿勢が見られたりするので採点がよくなります。
トレンドの情報の取り込み方としてはこちらの記事の最後の方をご参考ください。
簡単にいうと、政府のHPを見たり、関連の学会や展示会に参加したりして、技術動向を取り込んでいくと良いです。
まとめ
以上が、技術士試験対策としての記述式の書き方ポイント4つでした。これから始める人も既に始めている人も、参考になれば幸いです。
ちなみに、この記事で参考にした文章の書き方に関する書籍です。ダイゴさんの本ですが、人の感情を動かせるような文章術について、かなり分かりやすく解説されています。
技術士試験の出題者を唸らせるような文章を書くことを意識すると合格に近づくと思います。
非常に参考になるので、読むのをおすすめします。
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